ラスベガスの「はの」です。
ラスベガス郊外にあるフーバーダム。
アメリカの映画やNetflixにもよく登場する観光施設の一つ。
このダムは1930年代の世界大恐慌で経済立て直しの一環としてニューディール政策によって建設されました。
実際にこの場所に立ち巨大なダムを眺めると、息をのむような自然の中に突如建てられたダムの偉大さが五感で伝わってきます。
こちらの記事では、これまでフーバーダムに行ったことがない方に向けて書いてみます!
そんな私はラスベガス在住約18年、現在は旅行関連で働いています。
それでは早速始めて行きましょう!
フーバーダムの基本情報
フーバーダムの建設は1931年に始まり1935年に完成しました。
(ダムの周辺調査などを合わせると、これよりも長い期間掛かっている可能性があり)
実際にこのダムへやってくると、1930年代のあの時代にこのダムをたったの4年間で造り上げたという人々の苦労や生活は言葉では表すことができない程です。
ダムの歴史
このフーバーダムは、ネバダ州とアリゾナ州の州境に位置しており、コロラド川を堰き止めて造られています。
当初はボルダーダムと呼ばれていましたが、後にこのダムが完成した時のアメリカ第31代大統領ハーバート・フーバーにちなんでフーバーダムと改名されました。
(ダムが建設された場所にある大きな岩や石の堆積物があり、それはボルダーboulderと呼ばれている)
ダム建設の目的
フーバーダムの主な目的は、ネバダ州・アリゾナ州・カリフォルニア州南部などの都市へ水を供給して、
洪水の管理や電力供給、農業用水を確保などが目的です。
フーバーダムには発電所も備えており電力はカリフォルニア州南部、ネバダ州、アリゾナ州に送電されています。
ダムの高さ
フーバーダムの高さは約221m
(約726フィート)
221mと言っても、今ひとつ分からないので日本の観光施設に例えてみました。
・東京タワー 333m
・福岡タワー 234m
・京都タワー131m
・通天閣 108m
丁度同じくらいの高さのビルだど、新宿センタービル 222.95m 54階。
以前ラスベガスから空路でグランドキャニオンへ行った時に、上空からダムを見ると両側の巨大な岩をこの高さの壁でせき止めているのがよくわかりました。
工事に携わった人の人数
1934年6月の時点で最盛期におよそ2万1,000人以上の方々が働いており、この建設を進める中で約100人の方々が事故などで死亡したと言われダムの上から下を覘くと命をかけたプロジェクトという言葉の意味が理解できると思います。
フーバーダム建設労働者のための住宅や学校、病院、公園、店舗などのインフラを提供するために建設された計画的な都市がボルダーシティーがです。
貯水量
約400トン。
日本にあるダムの貯水量よりも多いと言われています。
フーバーダム営業時間&料金
ビジター センター
午前 9 時~午後 4 時 15 分
チケット: $10:00
3 歳以下の子供は無料
発電所ツアー
午前 9 時~午後 3 時 45 分
大人: $15.00
シニア (62 歳以上): $12.00
子供 (16 歳以下): $12:00
軍関係者: $12.00
駐車場: 午前 8 時~午後 5 時 15 分
駐車料金: $10:00
コロラド川の橋建設
フーバーダムバイパスプロジェクト
2010年にフーバーダムを見下ろすようにバイパスが開通しました。こちらの橋の建設には日本から株式会社大林組とPSM Construction USAの方々が携わっていました。(詳しくはコチラ)
以前、日本の親戚が建設関係の仕事をしていたこともあり、いかにこの大林組が偉大で日本の建設業に貢献してきたかを昔から聞いていたので、その企業が海外しかもラスベガスでこのプロジェクトに関わっているコトを知った時には
「日本だけでなく海外でも活躍して凄い会社!」
とその親戚に電話をしたことをこれを書きながら思い出しました。
このフーバーダムのバイパス工事は、ネバダ州とアリゾナ州の州境近くに位置する旧道(アメリカ国道93号線)の交通渋滞を緩和する為に行われ、以前はグランドキャニオンへ行く時に必ずこのダムの上を通過し、ダム周辺は上記のようなくねくね道を走る=徐行になるのでそれは時間が掛かる、、、。
またこの付近は片道一車線なので一度交通事故があると更に時間が掛かり、バイパスと新しい橋を建設することによってフーバーダムを避けるようにアリゾナ州(グランドキャニオ)への移動が可能になりました。
橋の名称
この橋には「Mike O’Callaghan-Pat Tillman Memorial Bridge」という名前がついていて、名前の由来は1996年にアリゾナ州の交通局長でだったマイク・オコールにちなんでいます。
建設期間
バイパス工事は2003年に着工し2010年に完成。
最盛期はおよそ600人から800人の方々がここで従事されていました。当時仲のよかった友達夫婦の旦那さんがここで大型クレーン技師としており、このプロジェクトの最中に強風でクレーンが折れたけど怪我がなかったのは不幸中の幸いという話をしていたのを思い出します。
展望台
この橋の脇には展望台の歩道が造られていますので、フーダーダムへ行った時には合わせてこの展望台にも行くことをおススメします。
展望台へはこのジグザクの歩道を上まで登りきる必要がありますので、歩きやすい靴・水、帽子・サングラス・軽食などを持ってお出かけください。
(ご注意点:駐車場が小さいので午前中の早い時間に行くことをおススメ)
橋の中央へ行くとフーバーダムの全容が観えてダムと橋の建築技術の素晴らしさを実感できます。
約7年間であの断崖絶壁のブラックキャニオンによくこのような橋を架けたもんだなと感動してしまいます。
この時期は日本からラスベガスに多くの工事関係者やご家族の方々が住んでおり、お父さんがこのダムの建設に携わっているという友人や旦那さんがダムで働いているので昼間は自由にしているという奥さんにも出会いました。
それまではそのような海外在住の日本人の方々に出会ったことがありませんでしたので、人々の暮らしを豊かにする背景には建設現場で働くお父さん・旦那さん・パートナーを支える家族がいることを知りました。
ローカルがおススメ!観光3選
フーバーダム周辺にはおススメの観光スポットがありますので、レンタカーなどで行かれる時にはこの3つのポイントに立ち寄ってみて下さいね。
Lake Mead – Lakeview Overlook展望台
知らないと通り過ぎてUターンが出来ないような場所にある展望台。
ここからはフーバーダムによってできたレイクミードを一望することができて、現在の貯蓄量を肉眼でみることができます。
注意点:
・駐車場が少ない。
・ラスベガスからツアーバスが同時に2~3台やってくる
・午前中の早い時間がおススメします。
・駐車料金無料。
Hoover Dam Museum(ボルダーシティー)
個人的にはこのミュージアムは大変おススメ。
ダム建設によってできた街ボルダーシティーにあるミュージアムで、こちらはフーバーダムの上にあるミュージアムとは別物です。
1933年に建てられたボルダーダムホテルは、ダム建設を訪れる観光客の為に建てられたホテルで今でもこのホテル(21部屋)に宿泊することもできます。
このホテルに一歩足を勧めるとその当時の香りがして、1933年頃にタイムスリップしたかのような不思議な空間が広がっています。
ホテルの一角に小さなミュージアムがあり1時間ほどで見て回ることができ、ここに日系人のYonema Bill Tomiyasuさんの紹介がされていました。
Tomiyasuさんは長崎県出身でアメリカに渡ってきたからは、カリフォルニア州を経由してここラスベガスで農業を営まれていました。第2次世界大戦があった頃は空軍基地があったネリス空港へご自身が育てたお野菜などを差し入れをして国に貢献したと後に知りました。
また現在ではTomiyasuさんの名前はラスベガスの東部にある小学校の名前にもなっています。
住所:1305 Arizona Street
Boulder City, NV 89005
注意事項
・入場料無料
・館内で寄付のお願いをされる場合がありますのでその場合には$5くらいの気持ちをお渡しする。
・https://www.bchdmuseum.org/
Southwest Diner
ボルダーシティーのレストランといえばSouthwest Diner。地元で人気のアメリカンダイナーのお店です。
朝から地元のお客さんや観光客のお客さんで賑わっていて、この街で30年以上も続いている秘訣は毎日手作りの美味しいお料理と店員さんのサービスなのかなと思っています!
今は孫娘さんの代にこの味が受け継がれていて、昔の小さな街にあったような近所の方々と観光客のみなさんとが仲良く食事を楽しむ場がそこにはあるような気がします。
Southwest Diner
住所:761 Nevada Way, Boulder City, NV 89005 Link
注意事項
・週末はいつも混んでいる
・店の裏側に駐車場あり
・駐車場が非常に少ない
・ラスベガス発テキサス州やノースカロライナ州行きの飛行機からは進行方向左側の窓際に座るとこのフーバーダムがよく見える。
・空路で行くグランドキャニオン1日観光は、ウエストリム、サウスリムのどちらも高確率でフーバーダム上空を通るのでダムと橋がよく見える。(左側の席)
・橋が架かっているバイパスを車で通過する時は、大型バスからはフーバーダムは見えるが乗用車からは見えない。(安全上)
・橋からフーバーダムを見る場合は朝早い時間がおススメ。(駐車場が狭いので駐車できない場合があり)
まとめ
今回はラスベガス郊外にある歴史的建造物のフーバーダムについてご紹介させて頂きました。
1931年から約4年という速さでこれだけのダムを造り上げた当時の技術とこのプロジェクトにかかわった方々、また近年では2010年に完成したバイパスとコロラド川に掛かる橋は日本から大林組やPSM Construction USAが携わり命がけの工事が行われていました。
日本や世界からこの工事に携わっていらっしゃった方々、ラスベガスのユニオンワーカーの方々、関係者各所の方々へ改めて敬意と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
以上です。
Youtubeにも動画をアップしましたので気になる方はこちらをどうぞ!