ラスベガスの「はの」です。
2024年1月9~12日に、ラスベガスのコンベンションセンターで行われた、大型コンベンションCES 2024に行ってきました!
CESとは、Consumer Electronics Showの頭文字で、世界中にあるハイテク企業が一堂に集まる見本市。
毎年1月上旬にラスベガスで行われており、一昔前までは「家電のコンベンション」と言われていましたが、
近年では家電にとどまらず、自動車・ゲーム・美容・通信・旅行・医療・農業・エンターテイメントと全ての業界に関連したテック系企業が集結。
今回は、CESの1日を思い出しながら、会場の様子、日本企業の展示等を書いてみたいと思います。
そんな私はラスベガス在住約18年、現在も旅行関連の仕事をしています。
それでは早速初めて行きましょう!
※目次を開くと、ご興味のある項目だけを読むことができます。
LVコンベンションセンターへ
今回は、「これだけは絶対見よう!」
と決めたTo Do Listを持って、1日がスタート。
今後、参加される方の目安となるよう、当日の様子を時系列で振り返ってみます。
■7:00 AM 自宅を出発
朝日が出てきた頃に家を出発。
会場横のホテルに到着しました。
■7:45 AM Fontainebleau Las Vegas到着
2023年12月オープンしたFontainebleau Las Vegas。
立体駐車場にあるSelf Parkingに車を停め、Elvis Presley Blvd側に駐車すると、近くにエレベーターがありラスベガスコンベンションのWest Hallsのすぐ横に出てくることを発見しました。
コンベンションセンター会場
2024年の参加者は、、、
・来場者数:13万5千人
・出展企業:4300社
・スタートアップ:1400社
・広さ:フットボール場30個分
と、この数字を聞いてもピンときませんが、CESは世界規模のコンベンションなので会場を歩くと様々な国の言葉が聞こえてきます。
1日では回り切れない数。
さて、CESはクローズドマーケットなので一般には公開されておらず、主にテック関係者、投資家、教育者、メディアなどに向けての展示や商談が行われています。
■8:00 AM バッジピックアップ
コンベンションセンターのWest Hall North Entranceにやってきました。
ここでバッジをピックアップ。ブースの中には係員が5人、この時間帯は列に並ぶことなくCESからメールで送られてきたQRコードと身分証明書を提示すうと、係の人がバッジを作って下さいました。
その後は、徒歩でWest Hallの正面玄関へと移動。近そうですが会場が広すぎて5分くらい掛かってしまいます。
やっと正面の方にやってきました。こちらには真っ赤な大きなトラックがデーンとあり、
何だろう?
と思って近づいてみると、CESのグッズ販売のトラックでした。赤でインパクトがあります。
West Hallの正面玄関へ。
この周辺には、ラスベガス警察の方々が10名ほどいらっしゃいました。安全第一です。
到着時間が早かったせいか、正面玄関付近はすいており、この隙にセキュリティーチェックへ。
バックを持っている人は、手荷物検査と人によっては金属探知機検査を受ける必要があります。
(West Hallのセキュリティーチェックの様子)
展示会場は、まだ開いていませんでしたので徒歩でCentral Hallへ。West HallとCentral Hallは会場内の連絡通路で繋がっていて、ふと正面のガラスを見ると、ここからの各会場までの徒歩での移動時間が書かれてありました。
・North Hall 5~8分
・Central Hall 8~12分
・West Gate Hotel 10~12分
建物内の連絡通路を歩いていると、CES 100年の歴史が展示されてあり、GoProカメラが誕生したのは2013年と紹介されていました。
CESでGoProのカメラを見てから、もう10年以上が経つの?とびっくり。
100年の歴史にご興味のある方は、CES 100 Year Anniversaryで詳しく紹介されています。
そうこうしていると、Central Hallに到着。
GoogleやWalmartなどの展示場が野外にありましたので、歩いて見てみました。
Googleの社員の方々が、これから始まるコンベンションの打ち合わせをしている様子。慌ただしい様子が伝わってきます。
そのお隣には、大阪に本社のあるKubota社。
アメリカの畑作地帯へ行くと、必ずKubotaのトラクターが置いてあります。
イリノイ州郊外には、Kubotaの販売店をよく見かけました。
Vegas Loop
■9:00 AM Vegas LoopでSouth Hallへ移動
コンベンション開始時間までは、まだ1時間程がありますので、テスラの地下道にやってきました。
Central Hallの乗り場は、このような地下の空間になっていて、カラフルなライトの演出で動画撮影やインスタ撮影には絶好の場所。
トンネル内もこのようにライトで照らされていますので、まるで遊園地のアトラクションのよう。
■9:05 AM South Hall Station
South Station Hallには、このトンネル工事に使われた重機が展示されています。
現在は、このコンベンションセンターとResorts World Las Vegasを結ぶ区間のみ開通していますが、将来は空港、スタジアム、各ホテル、ダウンタウンまで張り巡らされる予定です。
その後、テスラの地下道でCentral Hallへ戻ってきました。
尚、コンベンション期間中は、一部区間を除いて無料でテスラに乗車することができます。(Resorts World Las Vegasホテルから乗車する場合のみ有料)
Central Hall
■9:40 AM Central Hall
メイン会場にやってきました。
この時間になると多くの参加者が集まり始めました。
■10:00 AM CES 2024 開場
さあ、コンベンションが始まりました!
CESの統計によると、今回は約150以上の国や地域からの参加、参加者の約57%は会社での決定権を持つようなシニアレベルの方々だそうです。
それでは中に入ってみましょう!
普段の生活に役立つようなものから、未来の自動運転車まで様々です。
出展数があまりにも多いので、ここでは厳選した3つの企業をご紹介します。
話題の展示
LG SIGNAURE OLDET
韓国の家電メーカーLG社。
アメリカの多くのご家庭でこのLG社のテレビを見かけます。我が家もCostcoでLGのテレビを購入し、画像が綺麗で価格が比較的安いので愛用しています。
さて今回話題となっているWorkd’s First 4K Wireless Transparent TVは、世界初の背景が透けてみえるテレビで映像や音声はワイヤレスで受信できるそうです。
初めてこれを見た時は、テレビの向こう側に人が透けて見えてるけど一体どうなってるの?
と、実際に裏側から見るとこのようになっていました。まるで水槽のよう。
これまでのテレビと言うと、リビングルームに黒い物体がデーンとあるのが常識でしたが、その黒いスクリーンが無くなると空間が広く感じるかもと、まさに空間の中にテレビが浮かび上がるような印象。
このLG一帯には、同じように不思議に思う方、LGの技術に圧倒されている方で賑わっていました。
AFEELA Sony Honda Mobility
SonyとHondaの共同開発したブランドAFEELA。
この会場では、日本のご担当者が自動運転について、詳しく説明をして下さいました。
車メーカー大手Hondaと画像技術のパイオニアSonyが一緒になり、リアルとバーチャルが融合された車とのこと。
車内装備となるAIシステムは、マイクロソフト社と共同開発し車に搭載されるそうです。
こちらの車は、2025年から事前予約販売が始まり、2026年には実際に道路を走るようになるそうです。
金額は教えて頂けませんでしたが、質問した時の雰囲気からは、テスラの標準車より高いお値段のように感じました。
見るからに高級です。
各業界を代表する3社が取り組む新たな自動車革命、さらに興味が湧いてきます。
Sony
このブースにきてまず感じた事は、ハイテク過ぎて素人の私には理解するのが難しい映像技術。
エンターテインメントにおいてはこちらの技術がなかったらあの素晴らしい映像や音響効果で映画やコンテンツを楽しむことができなかったのではと思います。
ブースの中には、PlayStation V2のグランツーリスモ7が体験できるマシーンが展示されてありました。
実際にこの中に入ってゲームをしている方がいて、ゲームセンターにあるようなゲームが自宅で出来る?
そんな未来のゲーム機です。
まるで昨年映画館でみたGran Turismoを見ているような感じでした。
最後は、PlayStationの最新モデルPlayStationポータル、コントローラーの展示。
ここにいらっしゃる方々を見ていると、食い入るようにこの製品を見ていました。
それだけ珍しくて、誰もが憧れ手に入れたい「価値のある製品」なのですね。
この会場には世界を代表するような大手企業が集まっていましたので、もっと紹介したいのですが、なんせ数が多すぎて紹介しきれません。
メインホールを後にして、ベネチアンホテルの会場に向かいましょう。
■11:00 AM Vegas Loop
Central HallからWest Hallへ。テスラの地下道移動が早くて便利。
West Hallに到着すると、ライドシェアの乗り場の横には、VIPお客様専用のベンツの乗車場がありました。
ラスベガスコンベンションセンターで、イベントが行われる場合、West Hallのライドシェア乗り場は、この場所になることが多いです。
Fontainebleauでは、車を駐車させて頂いたので、1階にあるカフェで一休み。
(Chez Bon Bon)
■11:20 AM Fontainebleauの駐車場に到着
ベネチアンホテル会場
車で会場移動です。
普段は10分くらいで移動ができるのですが、CESの期間中は、コンベンションセンター周辺とラスベガス大通りが大変混んでいます。
■11:45 AM PALAZZO HOTELに到着
PALAZZOとベネチアンホテルはホテル内で繋がっているので、PALAZZOに駐車場に車を停めると、Grand Canal Shoppes2階にあるフードコートを目指します。
Food Court
■12:00 PM ベネチアンのフードコート到着
ベネチアンホテルには、1階と2階にフードコートがあり、アジア系のおススメのファーストフードが入っているのは、2階です。
【2階フードコート】
・Johnny Rockets
・Panda Express
・Fatburger
・Chipotle
・Subway
・Popeyes
・Curry Pot
・Halo Halo Filipono Kitchen
・Fire Of Brazil Churrascaiaなど
今回は、Curry Potのインドカレーにしました。
というのも、このフードコートにくるたびに、「カレーライス」のいい香りが漂っていて、いつか食べたいなと思っていたからです。
やってきました噂のカレー。
スパイスの効いたピリ辛のカレーで、想像していたインドカレー!美味しい。
(お腹が痛くなるような辛さではありません)
さて、昼食を済ませた後は、ベネチアン会場へ入る前にココを通る必要があります。
■12:30 PM セキュリティーチェック
近年、ラスベガスでは、このような大きなコンベンションやイベントが行われる場合は、必ずといっていい程セキュリティーチェックが行われています。
Eureka Park会場にやってきました。
J-Startup
J-Startupは、日本貿易振興機構 (JETRO)がホストとなり、日本国内の企業約30社の展示のサポートや支援されていらっしゃいます。
駆け足とはなりますが、日本からの企業さんの展示です。
■Mirai Speaker社
アメリカのリビングに対応したスピーカーが展示されており、耳が聞こえ難くなった親と同居する場合にはこの製品は必要になる!と説明を聞いて思いました。
実は昨年日本に帰省した際、時差ぼけで夜中にテレビショッピングを見ていた時にこちらの会社のCMが流れており「あ!CESでお会いしたMirai Speakerさんだ!」と嬉しくなりました。昔、耳の悪い祖母の家に行くと大相撲が爆音で流れていたので、この商品をもう少し早く知っていればと思いました。
■レボーンRevoron社
香りのセンシングデバイス、においAI、におい再現デバイスについて詳しく教えて下さいました。こちらの商品は主に食品工場や製造業などで使われているそうです。においを再現して作り出すディバイスなどの技術開発も行っているそう。
この製品を見てこれがあそこにあったらいいなと思った所は、アメリカ不動産売買サイトRedfin。アメリカで家を購入する時にネットでは分からない匂いを事前に教えてくれたらそれはいいサービスだなと個人的に思いました。
■Pocket RD社
セルフィーでアバターが簡単に作れるというsecond me。人々のニーズに答え実用的に使えるような製品が開発されていました。
■HKSK Studios社
こちらのブースではTシャツなど実在する服やグッズにデジタルで所有権を証明できるものがセットになった製品がありました。現在この技術で観光関係にもサービスの一部を提供しているそうで、ここで教えて頂いたことは分からない事が多かったので家に帰ってもう一度勉強しました。
■大阪ヒートクールOsaka Heat Cool社
Thermo Scratchという製品で皮膚の痒みを緩和するというもので初めて熱いと冷たい感覚を同時に体験。こちらのブースには日本から元気な社員さんが楽しそうに自社製品を紹介する姿を見て、職場全体の良い雰囲気が伝わってきました。
以上、今回お話しを伺うコトができたJ-Starupの企業さんです。有難うございました。
JAPAN TECH
同じフロアーには、日本企業のコンベンションを支援する団体さんが、JAPAN TECHという大きなブースを出展していらっしゃいました。
■Kyoto Shisaku Net
京都でモノづくりをされていらっしゃる約40もの会社が一つになったKyoto Shisaku Netの方が説明をして下さいました。廃熱発電機やパーツの製造、デザインなどをグループで手掛けていらっしゃるそうです。
京都といえば観光業、織物、焼き物、食事文化などの情報がたくさんありますが、製造業の方々も頑張っていらっしゃるコトを、このブースに立ち寄って初めて知りました。
このような国際的なコンベンションでは、日本の良いモノを世界に伝える絶好の場ということを改めて感じましたので、将来、出展を考えていらっしゃる企業さんは、JAPAN TECHさんの公式ウェブサイトをご覧ください。
日本からの企業さんを見た後は、CES 2024 Innovation Rewardsの展示会場へ。
2024 Innovation Rewards
■1:00 PM CES 2024 Innovation Rewards
毎年、CES 2024 Innovation Rewardsという、優れたデザインや技術を表彰するコンテストが各カテゴリーに分けて行われており、受賞した製品はCESで発表されることが多いようです。
CES 2024 Innovation Rewardsを受賞した中から、気になった製品を3つご紹介します。
XEBEC
CES 2024 Innovation Rewards
2024 Honoree in Computer Peripherals & Accessories
コンピューター周辺機器及びアクセサリー部門
今持っているLaptopのPCにXEBECの後付け器具を付けると、そこにスクリーンやライトが付けられるという優れもの。これを使うことにより世界中どこからでもストレスなく仕事ができるのだと想像します。調べてみるとテキサス州Austinにある会社でした。
ハイブリットで自宅とオフィスで仕事をしていた時は、LaptopのPCに加えて別のスクリーンを横に置き、Zoom会議があるときに光が足りない時にはまた別のライトを設置して、、、
などかなり面倒でしたので、これがあると便利だなと思った製品です。
MIDBAR
The Best of Innovation honorees for 2024
Human Security for All
人々の安全保障部門
韓国の企業で、AirFarmという世界最軽量のスマートファームを使って、どんなところでも野菜を育てることができるという製品。
Aeroponicというシステムで育てられたお野菜は、通用の土壌よりも1.5倍もの速さで成長をするそうです。農業分野におけるハイテク化も進んでいるのが伺えました。
HONDA
CES 2024 Innovation Rewards
2024 Best of Innovation in Vehicle Tech & Advanced Mobility
車両技術および先進モビリティ部門
Honda Motocompacto。折りたたみ式の電動スクーターで、2023年11月に既に発売が始まっておりアメリカでは$995で購入可能です。
総重量は、45kgで50 miles/hourの速さが出るそう。価格、持ち運びの利便性、スクーターのような速さを味わえ工場内など私有地での移動には最適だなと思いました。
アメリカの公道を走るには、州によっては難しいのかもしれませんが、街中に住んでいる場合はこれに乗ってスーパーまで行きたい場合は、車にMotocompactoをポンと載せて買い物中はショッピングカートの中に入れられる大きさなので便利だなと思いました。
今これを書きながら、会場でこのスクーターに試乗すればよかったと後悔しています。アメリカのHONDA自動車に行けば売っているようですのでご興味のある方は行ってみて下さいね。
(その後、ラスベガスのHONDAディーラに行った時に、このMotocompactoが販売されていました)
■2:00 会場を後にしました。
1日では回り切れない展示の数々。この時点で、ぐったりと疲れてしまいました。
注意点
コンベンションに参加する上で、3つの注意点があります。
歩きやすい靴
LVコンベンションセンターは、総面積140万平方フィート、それに加えて、Encore、Wynn、ベネチアン、パラッツォ、アリア等の会場に分かれています。
その為、履きなれた靴で出かけることをおススメします。
盗難
会場内で仕事をする場合、日本の感覚で、テーブルにパソコンやバックパックを置いたまま席を立つと、戻ってきた時には無くなっている可能性がありますので、十分にご注意下さい。
貴重品、パスポートはもちろんのこと、私物は肌身離さずに行動しましょう。
名刺&Linkedln
会場内で気になる製品があれば、担当者さんとは名刺交換だけでなく、Linkedlnでも繋がることをおススメします。
日本ではあまり使われていませんが、海外では(特にTech系)名刺代わりにLinkedlnが使われており、社長さん自らが頻繁に投稿しています。
まとめ
今回は、ラスベガスで行われたCES 2024の様子をご紹介させて頂きました。
世界の有名企業からスタートアップまで、ありとあらゆるジャンルの会社が参加されていて、今では何でもネットで商品を購入できる時代だから、こそこのような人と人との交流は大切なのではないかと感じました。
会場では、社会や人の役に立つような製品を生み出すエンジニアやクリエーターの皆さん、それをサポートするスタッフの方々、そんな皆さんを率いる社長さんなど
「会社としてのチーム」をほんの少しだけで垣間見ることが出来ました。
来年こそはラスベガスのCESに参加したい!と思った方は、2025年は1月7~10日に開催されますので、会場でお会いできらたいいですね。
最後まで読んで下さって、有難うございました。
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