`
ラスベガスの「はの」です。
ラスベガスで行われたCES 2024に行ってきました。
CESはConsumer Electronics Showの頭文字で世界的なハイテク企業が一堂に集まるのコンベンション(見本市)。アメリカのバージニア州に本社がありConsumer Technology Associationが運営。
毎年1月にここラスベガスで行われています。
一昔前までは「家電のコンベンション」と言われていましたが、今では家電にとどまらず自動車・農業機材・ゲーム・美容・通信・旅行・医療と全ての業界に関連したテック系企業が一同に集結。
今回はこのコンベンションの1日を思い出しながら、コンベンションセンターまでの移動手段、会場で見たモノ、昼食、日本の展示企業などを今後参加される方やCESを知らない方に向けて書いてみます。
そんな私はラスベガス在住約18年、普段は旅行関連の仕事をしています。
それでは早速初めて行きましょう!
自宅から会場へ
開催前日、出展している企業や今年注目されている製品などを調べていると情報量があまりにも多すぎて、
当日の朝はこれだけは絶対見ようと決めた3つを持って1日がスタート。時系列で1日を振り返っていきます。
■7:00 AM 自宅を出発
朝日が出てきた頃に家を出発。
ラスベガスで人気のFMラジオ(94.1)番組Mercedes In The Morningを聴きながらワクワクしながら車を走らせます。普段は家にこもって生活をしているので、朝の車の渋滞でさえ楽しく感じました。
■7:45 AM Fontainebleau Las Vegasに到着
2023年12月オープンしたFontainebleau Las Vegas。
立体駐車場にあるSelf Parkingに車を停めました。1~4時間は無料でそれ以降は$20、時間によって料金が異なります。
コンベンションセンター会場
2024年の参加者は、、、
・来場者数:13万5千人
・出展企業:4300社
・スタートアップ:1400社
・広さ:フットボール場30個分
と、この数字を聞いてもピンときませんが、CESは世界規模のコンベンションなので会場を歩くと様々な国の言葉が聞こえてきます。1日では回り切れない数です。
さてCESはクローズドマーケットなので一般には公開されておらず、主にテック関係者、投資家、教育者、メディアなどに向けての展示や商談が行われています。今でこそテクノロジーは世界中のどこでも使われていますので、どのような業種職種であれ関連した製品やサービスをここは見つけることができます。
■8:00 AM バッジピックアップ
コンベンションセンターのWest Hall North Entranceにやってきました。ここでバッジをピックアップ。ブースの中には係員が5人、この時間帯は列に並ぶことなくCESからメールで送られてきたQRコードと身分証明書を提示すうと、係の人がバッジを作って下さいました。
その後は徒歩でWest Hallの正面玄関へと移動。近そうですが会場が広すぎて5分くらい掛かってしまいます。
やっと正面の方にやってきました。こちらには真っ赤な大きなトラックがデーンとあり、何だろう?と思っているとグッズ販売用のトラックでした。赤でインパクトがあります。
West Hallの正面玄関へ。この周辺にはラスベガス警察の方々が10名ほどいらっしゃいました。安全第一。
到着時間が早かったせいか正面玄関付近はすいており、この隙にセキュリティーチェックへ。バックを持っている人は手荷物検査と人によっては金属探知機検査がありました。
(上記、右下に見えているのがセキュリティーチェック)
展示会場はまだ開いていませんでしたので徒歩でCentral Hallへ。West HallとCentral Hallは会場内の連絡通路で繋がっています。
ふと正面のガラスを見ると、ここからの各会場までの徒歩での移動時間が書かれてありました。
・North Hall 5~8分
・Central Hall 8~12分
・West Gate (ホテル付近) 10~12分
地図で見ると隣同士ですがかなり離れているのが分かります。
そして道中にはCES 100年の歴史が展示されてあり、GoProのカメラが誕生したのは2013年と紹介されていましたよ。もう10年以上が経つの?とびっくり。
Central Hallに到着後、GoogleやWalmartなどを外から覗いてみました。社員の方々が円陣を組んでこれから始まるコンベンションの打ち合わせをしている姿がありました。
Googleのお隣には大阪に本社のあるKubota社。アメリカの畑作地帯や田舎街へ行くと必ずKubotaのトラクターが置いてあります。またイリノイ州の郊外ではKubotaの支店を道中ではよく見かけました。
■9:00 AM Vegas LoopでSouth Hallへ移動
テスラの地下道です。Central Hallの乗り場はこのような地下の空間になっていて、カラフルなライトの演出で動画撮影やインスタ撮影には絶好の場所。トンネル内もこのようにライトで照らされていますので、まるで遊園地のアトラクションのよう。
■9:05 AM South Hall Station
こちらにはこのトンネル工事に使われた重機が展示されています。
現在はこのコンベンションセンターとResorts World Las Vegasを結ぶ区間のみ開通していますが、将来はは空港、スタジアム、各ホテル、ダウンタウンまで張り巡らされる予定。
その後テスラの地下道でCentral Hallへ戻ってきました。
■9:40 AM Central Hall
ここは世界の大手企業の展示が集まるメイン会場です。この時間になると多くの参加者が集まり始めました。2階の会議室には商談ルームや勉強会用の部屋が準備されています。
■10:00 AM CES 2024 開場
さあ、コンベンションが始まりました!
CESの統計によると、今回は約150以上の国や地域からの参加、参加者の約57%は会社での決定権を持つようなシニアレベルだそうです。普段はあまり会えないような方々が一同にやってきているのですね。
それでは中に入ってみましょう!
展示品は普段の生活に役立つようなものから未来の自動運転車まで様々。マッサージ機もありました。
出展数があまりにも多いので、ここでは厳選した3つの企業をご紹介します。
LG SIGNAURE OLDET
韓国の家電メーカーLG社。アメリカの多くのご家庭でこのLG社のテレビを見かけます。我が家もCostcoでLGのテレビを購入し、画像が綺麗で価格が比較的安いので愛用しています。
さて今回話題となっているWorkd’s First 4K Wireless Transparent TVは、世界初の背景が透けてみえるテレビで映像や音声はワイヤレスで受信できるそうです。
初めてこれを見た時はテレビの向こうに人が見えてるけど一体どうなってるの?と思い、実際に裏側から見るとこのようになっていました。まるで水槽のよう。
これまではテレビと言うとリビングルームに黒い物体がデーンとあるのが常識でしたが、その黒いスクリーンが無くなると空間が広く感じるかもと、まさに空間の中にテレビが浮かび上がるような印象。
このLG一帯には同じように不思議に思う人(私よ)や技術の凄さに圧倒されている方々で溢れていました。
AFEELA Sony Honda Mobility
SonyとHondaの共同開発したブランドAFEELAをご存知ですか。私はこのブースに来て初めて知りました。
日本のご担当の方が自動運転の電気自動車について詳しく説明をして下さいました。車メーカー大手Hondaとゲームや音響など画像技術のSonyが一緒になりリアルとバーチャルが融合された車とのこと。
車内装備となるAIシステムはマイクロソフト社と共同開発し車に搭載されるそう。
こちらの車は2025年から事前予約販売が始まり、2026年には実際に道路を走るようになるそうです。金額は教えて頂けませんでしたが、質問した時の雰囲気からはテスラと同じくらいかそれより高いお値段のように感じました。
見るからに高級ですよね。各業界を代表する3社が取り組む新たな自動車革命、さらに興味が湧いてきます。
Sony
このブースにきてまず感じた事は、ハイテク過ぎて素人の私には理解するのが難しい映像技術。エンターテインメントにおいてはこちらの技術がなかったらあの素晴らしい映像や音響効果で映画やコンテンツを楽しむことができなかったのではと思います。
ブースの中にはPlayStation V2のグランツーリスモ7が体験できるマシーンが展示されてありました。
実際にこの輪っかに入ってゲームをしている方がいて、ゲームセンターにあるようなゲームが自宅で出来る?そんな未来のゲーム機です。まるで昨年映画館でみたGran Turismoを見ているような感じでした。
最後はPlayStationの最新モデルPlayStationポータル、コントローラーの展示。こちらを見学されていらっしゃる方の多くは、まるで天然記念物を食い入るように眺めていらっしゃいました。
それだけ珍しくて誰もが憧れ手に入れたい「価値のある製品」なのですね。
この会場には世界を代表するような大手企業が集まっていましたので、もっと紹介したいのですがなんせ数が多すぎて紹介しきれませんので、メインホールを後にしてベネチアンホテルの会場に移動していきましょう!
■11:00 AM Vegas Loop
広い会場を歩きながら次のベネチアン会場へ向かいましょう!Central HallからWest Hallへ。
この辺りにライドシェアは乗り場があり、プライベート移動専用と思われるベンツ専用の乗車場ができていました。
■11:20 AM Fontainebleauの駐車場に到着
4時間以内だったので駐車料金は無料。パラッツォホテルに車で移動。
ベネチアンホテルの会場
CESの会場は大きく分けてコンベンションセンター、ベネチアンホテル、アリアホテルに分かれています。
■11:45 AM PALAZZO HOTELに到着
PALAZZOの駐車場に車を停めると、大きな渋滞にはまることなく出入りがし易く車移動の場合はおススメです。
(1時間までは無料、それを超える場合は$15~時間によって料金が異なります)
PALAZZOは建物内でベネチアンホテルに繋がっており、Grand Canal Shoppesを目指してベネチアンホテル2階にあるフードコートを目指します。
■12:00 PM ベネチアンのフードコート到着
こちらのフードコートはさっと食事を済ませたい時におススメ。アメリカでお馴染みのファーストフードから多国籍フードまでありますよ。
・Johnny Rockets
・Panda Express
・Fatburger
・Chipotle
・Subway
・Popeyes
・Curry Pot
・Halo Halo Filipono Kitchen
・Fire Of Brazil Churrascaiaなど
今回はCurry Potのインドカレーにしました。実はこのフードコートに来るたびにカレーライスのいい香りが漂っていましたので、いつか食べたいなと思っていました。
スパイスの効いたピリ辛のカレー。想像していたカレーの味で美味しい!
(お腹が痛くなるような辛さではありませんのでご安心下さい。)
■12:30 PM セキュリティーチェック
さあ、コンベンション開場Eureka Parkにやってきました。
こちらでは日本からの出展とCES 2024 Innovation Rewardsの展示がお目当てです。
J-Startup
J-Startupは日本貿易振興機構 (JETRO)がホストとなり、日本国内の企業約30社の展示のサポートや支援されていらっしゃいます。
□Mirai Speaker社
アメリカのリビングに対応したスピーカーが展示されており、耳が聞こえ難くなった親と同居する場合にはこの製品は必要になる!と説明を聞いて思いました。
実は昨年日本に帰省した際、時差ぼけで夜中にテレビショッピングを見ていた時にこちらの会社のCMが流れており「あ!CESでお会いしたMirai Speakerさんだ!」と嬉しくなりました。昔、耳の悪い祖母の家に行くと大相撲が爆音で流れていたので、この商品をもう少し早く知っていればと思いました。
□レボーンRevoron社
香りのセンシングデバイス、においAI、におい再現デバイスについて詳しく教えて下さいました。こちらの商品は主に食品工場や製造業などで使われているそうです。においを再現して作り出すディバイスなどの技術開発も行っているそう。
この製品を見てこれがあそこにあったらいいなと思った所は、アメリカ不動産売買サイトRedfin。アメリカで家を購入する時にネットでは分からない匂いを事前に教えてくれたらそれはいいサービスだなと個人的に思いました。
□Pocket RD社
セルフィーでアバターが簡単に作れるというsecond me。人々のニーズに答え実用的に使えるような製品が開発されていました。
□HKSK Studios社
こちらのブースではTシャツなど実在する服やグッズにデジタルで所有権を証明できるものがセットになった製品がありました。現在この技術で観光関係にもサービスの一部を提供しているそうで、ここで教えて頂いたことは分からない事が多かったので家に帰ってもう一度勉強しました。
□大阪ヒートクールOsaka Heat Cool社
Thermo Scratchという製品で皮膚の痒みを緩和するというもので初めて熱いと冷たい感覚を同時に体験。こちらのブースには日本から元気な社員さんが楽しそうに自社製品を紹介する姿を見て、職場全体の良い雰囲気が伝わってきました。
以上が今回お話しを伺うコトができたJ-Starupの企業さんです。
JAPAN TECH
同じフロアーに日本企業のコンベンションを支援する団体がJAPAN TECHという大きなブースを出していらっしゃいました。
□Kyoto Shisaku Net
こちらでは京都でモノづくりをされていらっしゃる約40もの会社が一つになったKyoto Shisaku Netの方が説明をして下さいました。廃熱発電機やパーツの製造、デザインなどのモノづくりをグループで手掛けていらっしゃるそうです。
京都といえば観光業、織物、焼き物、食事文化などはテレビやネットで情報がたくさんありますが、製造業の方々も頑張っていらっしゃるのだなとこちらのブースに立ち寄って初めて知りました。
このような国際的なコンベンションでは日本の良いモノを世界に伝える絶好の場ということを改めて感じました。
JAPAN TECHについて詳しくお知りになりたい場合は、こちらの公式ウェブサイトをご覧ください。Link
■1:00 PM CES 2024 Innovation Rewards
最後にやってきたのがCES 2024 Innovation Rewards。このプログラムは優れたデザインや技術を表彰するコンテストで各カテゴリーに分けて毎年行われてます。その中で3つを紹介します。
XEBEC
今持っているLaptopのPCにXEBECの後付け器具を付けると、そこにスクリーンやライトが付けられるという優れもの。これを使うことにより世界中どこからでもストレスなく仕事ができるのだと想像します。調べてみるとテキサス州Austinにある会社でした。
ハイブリットで自宅とオフィスで仕事をしていた時は、LaptopのPCに加えて別のスクリーンを横に置き、Zoom会議があるときに光が足りない時にはまた別のライトを設置して、、、などかなり面倒でしたので、これがあると便利だなと思った製品です。
MIDBAR
韓国の企業で、AirFarmという世界最軽量のスマートファームを使って、どんなところでも野菜を育てることができるという製品。Aeroponicというシステムで育てられたお野菜は通用の土壌よりも1.5倍もの速さで成長をするそうです。農業分野におけるハイテク化も進んでいるのが伺えました。
HONDA
Honda Motocompacto。折りたたみ式の電動スクーター。2023年11月に既に発売が始まっておりアメリカでは$995で購入可能。
総重量は45kgで50 miles/hourの速さが出るそうです。価格、持ち運びの利便性、スクーターのような速さを味わえ工場内など私有地での移動には最適だなと思いました。
アメリカの公道を走るには州によっては難しいのかもしれませんが、街中に住んでいる場合はこれに乗ってスーパーまで行きたい場合は、車にMotocompactoをポンと載せて買い物中はショッピングカートの中に入れられる大きさなので便利だなと思いました。
今これを書きながら会場でこのスクーターに試乗すればよかったと後悔しています。アメリカのHONDA自動車に行けば売っているようですのでご興味のある方は行ってみて下さいね。
■2:00 会場を後にしました。
まとめ
今回は、ラスベガスで行われたCES 2024の様子をご紹介させて頂きました。
世界中から参加者があつまる巨大イベントには、有名企業からスタートアップの企業までありとあらゆるジャンルの会社が参加されていました。今では何でもネットで商品を購入できる時代だから、こそこのような人と人との交流は大切なのではないかと思います。
また会場では社会や人の役に立つような製品を生み出すエンジニアやクリエーターの皆さん、それをサポートするスタッフの方々、そんな皆さんを率いる社長さんなど「会社としてのチーム」をほんの少しだけで垣間見ることが出来ました。
来年こそはラスベガスのCESに参加したい!と思った方は、2025年は1月7~10日に開催されますので会場でお会いできらたいいですね。
記事の感想やご意見・ご要望はツイッター(X)DMからお願いします。Xでは毎日ラスベガスの現地情報や日々の暮らしを更新しています。